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小さな偉人の引退

2018年12月1日。柏レイソルに所属していた一人の選手が引退を発表した。
その選手の名前は栗澤僚一。
いきなり失礼なことを書くが、この名前を聞いてピンとくる人は、
かなりのサッカー通(特にJリーグ通)か、柏レイソルのサポーターか、栗澤がかつて所属していたFC東京のサポーターか。
おそらくそのどれかであろう。
栗澤はA代表はもちろん、世代別の代表にも呼ばれたことが無い。
よって知名度はかなり低い選手と言わざるを得ないだろう。
だが、彼は間違いなく柏レイソルを代表するプレイヤーだった。

栗澤が柏レイソルにやってきたのは2008年8月のこと。
当時、柏レイソルに所属していた鈴木達也という選手と交換トレードのような形で柏にやってきた。
(移籍当初はレンタル移籍だった)
失礼な話だが、私はこのトレードにかなりの疑問を持っていた。
というのも鈴木達也にはスピードというわかりやすい特徴があり、スーパーサブとしても計算できそうな選手だったのに対し、
栗澤にはこれというわかりやすい特徴がなかったからである。

しかし、自分の見識が間違っていることはすぐにわかることとなる。
FC東京ではどちらかというと攻撃的な選手だったはずなのだが、
柏では完全にボランチとして守備面で存在感を見せることとなる。
何が凄かったかというと、とにもかくにもボールがあるところに栗澤がいるのだ。
セカンドボールはことごとく拾い、相手の攻撃の芽は即座に摘み取る。
先ほどまで攻撃に参加していたかと思うと、いつの間にか守備に戻っている。
全く違うポジションにいたはずなのに、相手がボールを持つとそこに栗澤がマークについている。
冗談でもなんでもなく、ピッチに3人くらい栗澤がいるのではないか?
と思わされるほど、ボールのある場所、味方の危険な場所をカバーする場所に栗澤は常に顔を出していた。
特にダブルボランチとして大谷と組んでいた時は非常に分かりやすい役割分担ができていた。
ボール奪取能力に優れた大谷と、セカンドボールを拾ったり、相手のパスコースを察知したりする能力に優れた栗澤。
彼ら2人の働きでどれだけの失点の芽が摘み取られたか計り知れないだろう。

確かに栗澤は柏に所属した10年半の間で、リーグ戦での得点はたったの2点しか取っていない。
しかし、得点という一番分かりやすい形での貢献こそなかったものの、
彼がいたおかげで柏レイソルがどれだけ助けられたかは、柏レイソルのサポーターはみんなが知っているだろう。
体も小さく、キック力があるわけでも、足が特別に速いわけでもなかった。
彼は抜群の運動量と、卓越した戦術眼、サッカー選手としてのインテリジェンスの高さで、
11シーズンもの間、柏を支え続けてくれたのだ。

確かに、あと5年、10年あるいはもっと年月がたったときに、
柏レイソルのタイトル獲得(2011年J1優勝、2012年度天皇杯優勝、2013年Jリーグカップ優勝)が語られるとき、
彼は真っ先に名前のあがる選手ではないかもしれない。
どうしても得点を取った選手や、ゴールキーパーなどにスポットが当てられやすいからだ。
具体的に言えば、工藤であったり、田中順也であったり、レアンドロ・ドミンゲスであったり、ジョルジ・ワグネルであったり、菅野であったり。
だが、間違いなく栗澤はレイソルのタイトル獲得に大きく貢献した選手だった。

栗澤僚一。この小さくも偉大な柏レイソルを支えた選手を、私は語り継いでいきたいと思う。
そして、彼のインテリジェンスの高さを、指導者やフロントとしてサッカー界にまた貢献してもらいたいと思っている。
きっとそれができる人物に違いないから。

最後に、10年半本当にありがとうございました。
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